コラム・お知らせ
2019.07.11
法律コラム

相続法改正(1)~配偶者居住権~

39年ぶりの改正

2018年7月に、民法のうちの相続に関する法律が大幅に改正されることが決まり、原則として2019年7月1日から施行されています。39年ぶりの大改正ですので、変更点について説明していきます。

配偶者居住権

相続開始のときに被相続人所有の建物に居住していた被相続人の配偶者は、遺産分割等でその建物を使用し続ける権利を取得することができるようになりました。配偶者居住権といいます。これは今回の改正で新たに導入された制度です。なお、この制度は2020年4月1日から施行されます。

夫が死亡し、子どもがおらず前妻の子供1名と遺産を分ける事になった場合、遺言がなければ 妻と前妻の子どもが 2分の1ずつ遺産を相続します。

たとえば遺産が3000万円の自宅土地建物と、預金が1000万円であった場合、妻と子どもはぞれぞれ2000万円ずつ相続するので、妻が3000万円の自宅を取得する場合は1000万円を自分で準備して子どもに支払わなければいけません。1000万円を準備できない場合は自宅を売却して分けることになってしまいます。

そのため、夫が亡くなったことで妻が生活の拠点を追われるようなことがないよう、財産評価として低い「配偶者居住権」を認めることになったのです。配偶者居住権は、当該建物を所有する権利ではなく、住み続ける権利です。配偶者が相続開始にその建物に住んでいて、配偶者居住権を取得させる遺産分割などがなされることで成立します。

何が良いかと言うと、所有権ではない限定された権利なので財産としての評価が低いのです。たとえば配偶者居住権が1500万円と評価され、配偶者居住権のついた不動産所有権は子どもが取得する場合、子どもが取得する所有権は1500万円と評価されます。すると、妻は家に住み続けられる上、預金500万円も相続できるのです。

ただし、当該配偶者が死亡したときは消滅するので相続される権利ではありません。また、生前に他人に譲渡することもできません。つまり、配偶者のみが死亡するまで建物を利用できるという権利です。登記することもできます。その代り、固定資産税などの負担は必要です。

これ以外にも、遺産分割により居住不動産の帰属が決まるまで無償で居住するために「配偶者短期居住権」という権利も創設されました。

電話でのご予約 (予約受付 平日9:00-18:00) メールでのご予約 (24時間受付)